今回も新聞記事からです。
アイルランドの話です。
女性が家庭内で生活することが国益に資するとうたうアイルランド憲法の条文が、今後も維持されることになった。~中略~
1937年制定の憲法は、女性が家庭における「義務」を怠ってまで外で働くことがないよう、国家が努める必要性を説く。国民投票では、この条文を削除した上で、「家族の構成員間の絆を理由とした思いやり」こそが国家にとって重要だとする新たな条文を挿入するかが問われた。
~投票率は44.36%と、過去の国民投票に比べて低調だった。改正には過半数が必要だが、賛成は26.07%で、反対の73.93%を大きく下回った。事前の世論調査では、賛成が過半数だった。
2024年3月11日付朝日新聞 国際面 アイルランド「女性は家庭内」維持 (ロンドン=藤原学思さん)より 以下同じ
事前の世論調査と異なる結果になったということですが
記事には
憲法改正に強く反対する層が積極的に票を投じる一方、賛成するメリットを実感しづらかったため、「どちらかというと賛成」という層が投票しなかったとみられる。
のように書かれていました。
他には、改正案が家庭を強調し過ぎており
国が責任放棄しているとの批判があった、といったような内容を
別の記事で見かけたりしました。
解釈も様々…。
いろいろな思惑が交錯してこのような結果になったとは言え
ともかく、賛成26.07%、反対73.93%のようです。
ワタシは
国の憲法の条文に「女性が家庭内」と
書かれているということに
まず驚いて(知りませんでしたから)
それを改正しようとしたら
先進国と思われるアイルランドで
2024年3月9日という現代において
反対多数で否決された、ということで
もう一度驚きました。
アイルランドは、1人あたりの名目GDPが高い国だそうで
ルクセンブルクに次いで、第2位なんだそうです。
日本は34位。
※IMFから2023年10月に発表された、World Economic Outlook(WEO:世界経済見通し)による国・地域別の世界一人当たりGDPランキングによる。
気になって
アイルランドの憲法を調べてみたら
第41条
2.1
特に、国は、女性が家庭内での生活により共通善の達成に欠くことのできない支持を国に与えていることを承認する。
2.2
したがって、国は、母親が経済的理由からやむなく労働に従事することにより、家庭におけるその義務を怠ることがないよう保障することに努めなければならない。
各国憲法集(2)アイルランド憲法 国立国会図書館調査及び立法考査局 より
※共通善:社会全体共通の善
以前書いた『日本型福祉社会』の憲法版だなー
と思いながら読みました。
今の日本で同じような内容の国民投票が行われたら
どんな結果になるかなー?
自分だったら、どんな投票行動に出るかなー?、と思いました。
なかなか考えがまとまらないので
もう少し、まとまりそうなら
また書き直そうと思うのだけど
とりあえず。
家庭内の仕事も大事だし
お金を稼ぐのも大事だし
家庭内の仕事の場合、金額的には無償だからって
その延長戦上で考えられて?
職業としての介護や保育等の報酬が少なかったり
価値が低い仕事という風に捉えられる感じは嫌かな~。
何だかんだいって
報酬が低い仕事は嫌だと思われる面はあるし
報酬が少ない=価値が低い仕事
と思われてしまう部分もあると思うし。
国際関係や政府の方針含め時代の風潮? みたいなものも
どんどん変わっていくから
本当の自分の価値観や
自分はどう生きたら幸せなのか等
よ~く見定めていかないと
後悔することになるなー、とものすごく思いました。
現在の日本国憲法。
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。