エマニュエル・トッドさんと池上彰さんの対談をまとめた
『問題はロシアより、むしろアメリカだ』を読みました。
こちらの本です。
印象に残ったところを中心に。
以前、エマニュエル・トッドさんの本は読んだことがあって
【書籍】エマニュエル・トッド『第三次世界大戦はもう始まっている』を読みました - 好きに暮らす-now or never-
トッドさんがこういった本を出すことに
驚きは全然ありません。
が
タイトルとは逆の論調が多いと感じられる
日本のメディアに数多く出演されている池上さんが
こういった本を出すというのは?
と興味が湧いて読んでみました。
この本で新たに得た情報、再認識したこと、
印象に残ったところを列挙します。
・2000年代は、ロシアは安定を取り戻しつつあった。
生活レベルが正常化。自殺率、他殺率、乳幼児死亡率が低下。
むしろ、アメリカのほうが不安定。
・ロシアは、自分たちで共産主義やスターリンを倒し、
その変化を受け入れてきた国であるとも言える。
・産業生産力がアメリカは低下気味。
ロシアは意外と安定。
消費<生産の国(ロシア、インド、中国etc.)と
消費>生産の国(アメリカ、イギリス、フランスetc.)という
見方もできる。
・ロシアは他国の特殊性を尊重しようと考えている。
(↑ これ、ワタシにはとても意外でした)
(中国、インド、中東、アフリカもこちら寄りの考え、とのこと)
西側は、自由と民主主義が正しいと考えている。
産業生産力の低下や、その価値観のありようetc. から
仮に、今回のウクライナ戦争をきっかけに
世界での、アメリカの影響力が弱まっていく可能性を
想定した場合に
トッド 中国やインド、それからアラブ諸国も、それぞれの国は全く違う国々なんですね。一方で、西側と言われているドイツやフランスや、日本や韓国といった国々も全く異なる国々なんです。
なので、それぞれの国々が平和のうちに分断を進めて、西側の支配が終わりを迎えると。そういったほうが好ましかったというふうには思います。
『問題はロシアより、むしろアメリカだ』エマニュエル・トッド 池上彰著 朝日新書 以下同じ
ウクライナ戦争をきっかけにするのではなく、
平和のうちに、という意味です。
今後、もしかして、多様化が進んでいく場合
池上 多様化してきて、長期的に見れば世界は安定するかもしれませんけど、その安定するまでの間、ひじょうに不安定な状態がこれからしばらく続いてくるんじゃないか。それを覚悟しなければいけないのかな、というふうにも私は考えています。
ワタシもそう思えます。
そして、世界が多様化に向かった場合
池上 改めて「じゃあ日本的価値って何なんだろうか、日本の存在って何だったんだろうか」ということを考えざるを得ないと思います。
日本は世界の中でどんな風に存在しようか?
みたいなことを改めて独自に考えていけるというのは
ある意味とても幸せなことなのかな
と思いました。
果たして?
ワタシが生きている間に、そんな時代は来るだろうか?
池上さんは、あとがきに代えて、の中で
対談を終えての感想。それは、オルタナティブな見方、大勢に加わらない独自の見方の大切さを痛感していることです。
と書いています。
ワタシは本当にこれまでのほほんと生きてきてて
報道されてても自分で情報を取りにいっていない場合もあるし
意図の有無にかかわらず
報道されてないような情報・意見も
数多くあるようで
報道されないことについては、自然と
ないものとして世界を見てしまっている自分も感じます…。
のほほんな毎日
はワタシにはとても大事なことで
決して手放しはしません。
でも、大き過ぎるテーマだけれど
世界のことを自分で考える、ということも
できる範囲で、していきたいなと思います。
自分で確かめた・感じたこと以外は
「そういう説がある、そう感じてる人がいる」とだけ
まずは捉えるように心がけようと思っていて
それはトッドさん、池上さんの発言を聞く場合も
変わりはありません。
とりあえず
明日の日テレ系「だが、情熱はある」最終回が
とても楽しみなのでした。^^