相良奈美香さんの
『行動経済学が最強の学問である』を読みました。以下、メモ。
こちらの本。
オットが買ってきて
ふーん、と思いつつ読んでみたらおもしろかった。
※若干、??? と思うようなところもあったけど。
経済活動を担う、モノを買わせる企業側の立場と
同じく、経済活動を担う、買う側の立場で読める。
行動によって経済が動くから行動経済学という名称なのかと思うけれど
そこにお金を介在させずに
日常の『意思決定行動学』みたいなイメージで
読んでも興味深かった。
ミニマリスト的発想や片付け目線で読んでも参考になるような。
印象に残ったトピック。
埋没コスト(Sunk Cost)と機会コスト(Opportunity Cost)
埋没コスト:
一度何かを始めたら、たとえ成果が出ていなくても、そこに費やした時間・お金・労力を取り戻そうと継続してしまうこと
機会コスト:
それまでにつぎこんだ時間・お金・労力が無駄になるだけでなく、その時間でもっと他のことができたはずの、その機会を失ってしまうこと
株売買とか、まさに、埋没コストと機会コストを
よくよく考えないと、って、そんな感じ。
快楽適応(Hedonic Adaptation)
人は、嫌なことにも楽しいことにもすぐ慣れる
嫌なことは一気にやったほうがよい(嫌な感情にもすぐ慣れるから)
逆に幸せに感じることは時間を細切れにして
何度もやるようにすると、長い期間楽しめる
情報オーバーロード(Information Overload)
多過ぎる情報は、人を疲れさせ、意思決定を妨げる
選択肢が多過ぎても選びにくい
それでも、人は、面白い情報を逃したくない部分もあり、自分だけ取り残されるのが怖いから、情報をチェックしがち
そもそも選ばなくて済むようにする
自分にとって重要度の低いことや、熟考して選んでも結果に大差ない(と、自分で思える)ことは、選択せずに済む仕組みを作ってしまう。あるいは、その部分にこだわりのある人に委ねてしまう
例:服装、食事メニュー etc.
淡い感情(アフェクト Affect)
「喜怒哀楽(Emotion)」ほど、はっきりとしない「淡い感情」
「喜怒哀楽」よりも、むしろ頻繁に抱いており
意思決定に意外に影響を与えている
ネガティブ・アフェクトが湧く(気の進まない)ような事柄に対しては
すぐやめるつもりで、始めてみる
とりあえず始めたことが小さな成果、達成感 → ポジティブ・アフェクト →
現状維持効果も働いて、継続
他にも、様々な話題あり。
行動経済学の本は最近多く出版されるようになってきているようだけれど
バラバラになりがちな理論を『初めて体系化した』ということを著者が書いてる。
いち消費者としては、企業戦略にははまらず
基本的には合理的に買い物するゾ、と読みたい。
けど、たまには、非合理的にも楽しみたい。^^
販売戦略を立てる側、となったら、そちら側目線で読むのかなぁ?
最後に、オットとの話が結論が出ないままになっていること。
仮に全人類(ではなくても、ある程度大多数)が非合理な意思決定をせずに合理的な意思決定に基づいて消費行動をするようになったら経済はよくなる(お金が循環する、の意味)のか?
※合理的な意思決定というのは、その商品が本当に必要で欲しいとか、そういう意味。非合理的な意思決定というのは、ある程度、企業の戦略にのせられて、そこまで必要ではないけど買ってしまう、とかそういう意味。
オットは「よくなる」と言ったのだけど
ワタシは「最終的にはそうなるかも、だけど、当面は、悪くなる?」
ような気がして、少し話したんだけど、結論出ず。
オットも、自説の理由を(ワタシに説明できる程度まで)言語化できず
話はそのままに。(お互い、多分、直感的にしゃべってる段階)
2人の中に抱えておくことにする。
ワタシの実生活にわかりやすく役立ちそうだった内容は下記。
嫌なことは、とりあえず始めて
一気にやり切ってしまうのがよさそう。